岸田内閣が成立してから一週間が経つ。体調崩して書くのが遅くなった。金曜日に総理就任の施政方針演説があり、今日から各党の代表質問がある。入院したりして演説を詳細に聞いていないが、その要旨から感じることは比較的爽やかな印象を受けた。内容には可成り矛盾点もあるが今回日本型資本主義の創設について感じたことを記してみたい。その前提として新自由主義との絶縁を宣言している。しかし安倍政権の経済政策は引き継ぐと言う。これは明らかに矛盾である。岸田派は自民党の中で第四か第五派閥であり、岸田内閣の成立には、細田派や麻生派などの支持が必要だったことは理解できる。しかし岸田総理の最重要な施策である経済政策で新自由主義の前政権の経済政策を踏襲して新しい日本型資本主義を構築すると言われても理解できない。羊頭を掲げて狗肉を売る類いとしか受け取りようがない。したがって日本型資本主義とは何かをはっきり示していない。具体的には所得倍増であり、需要の拡大を伴った分配の経済であり、所得格差を大資本中心に課税強化して是正しようというものである。そして財政健全化にも配慮するとした。共産主義国家が強かった頃、資本主義信奉者でも社会主義的施策を取り込んだ大きな政府の必要性を唱えていた。今や世界的に経済が行き詰まった今日市場経済に全てを委ねる新自由主義は破綻している。グローバル経済や自由貿易絶対の政策は否定され、保護主義的風潮や自国ファーストの思想が特にコロナ化の今日勢いを増している。このような状況下でアベノミクスを踏襲しながら日本型資本主義とはいかなるものなのであろう。世界的に大幅な財政出動と巨額の金融発行は群を抜いて大きい日本の経済政策が日本型資本主義ではなかろう。分配論だけの日本型資本主義が成り立つことはないのではなかろうか。