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思うままに…
by kaitekikukannb
令和三年衆議院議員選挙について
令和三年の衆議院議員選挙について
この選挙について私見を述べてみたい。この選挙は解散の形をとっているがほぼ任期満了選挙である。この時期と政権担当の自民党総裁の任期満了と重なる珍しいことと普通なら自民党総裁選には現職が再出馬する予想が、菅総理は辞任を表明した異常なことの重なった総選挙であった。自民党政権は解散時期を考えながら政権運営していたが、東京オリンピック開催と新型コロナの第5次と重なり解散のタイミングを掴めず任期満了がきてしまった。したがってコロナ対策が争点になる選挙の筈が、不思議にコロナがあれだけ猖獗を極めていたのが急速に下火になり、緊急事態宣言も解除され、結果的に緊急な争点のない総選挙になってしまった。
このような背景で投票率は55%台の3番目に低い総選挙になった。コロナが終息すればこの任期中の安倍、菅政権の政治への評価と次の衆議院議員任期中の各党の政策を判断するいわば争点の乏しい選挙になり、野党の候補者一本化による政権交代選挙と位置付けられたが、どのくらい与党は議席を減らすかという構図になってしまった。この四年間与党の絶対安定多数の政権下経済は低迷し、中国の著しい台頭とアメリカの衰退に伴う世界のパワーバランスの変化による安全保障問題、高齢化と人口減少に伴う社会福祉問題、自然破壊による世界環境問題、コロナの慢性化や新しい疾病など医療体制問題など問題山積であったがコロナに痛めつけられた国民から見て解放された思いで変化は望まない雰囲気での総選挙になってしまい、投票率が上がる環境ではなくなってしまった。それにしてもここ数回の国政選挙で50%半ばの投票率が続くのは異常で民主主義の危機である。先日行われたドイツの総選挙は75%を超える投票率とは隔世の感がする。現在世界を風靡する民主主義と資本主義私はいずれも人間の本性に基づく哲学思想だと思っている。資本主義については別に述べることとして、民主主義は歴史的にはギリシャに淵源があることは常識であり、欧米では長い歴史の中でかちとったものである。血みどろの中で勝ち取られたものである。しかし日本をはじめアジア諸国(インドとオーストラリアなどを除く。考えるとアーリア系民族)は歴史的には現在の民主主義は闘争で勝ち取ったものではなく、解放で与えられたものである。自分たちが勝ち取ったものではない。いわばよそものである。でも日本の歴史を見ると専制主義は日本人の本来的素質ではではない。聖徳太子の「和をもって貴しとなす」に始まり政治的には合議制が日本人の体質ではなかろうか。ただ日本人の合議制と欧米の民主主義はみんなで決めるという結果は同じでもその在り方は違うような気がする。欧米の民主主義は闘いの雰囲気が強いが日本の合議制は極めて穏便で平和的な暖かさを感じる。多数決と全会一致というやり方にもそれを感じる。その差はどこから来るか。欧米は個人主義と責任主義が日本人の表現は悪いかも知れないが団体主義と無責任主義からきているような気がしてならない。そしてどちらが優れているとは一概に言えないのではないか。それぞれの民族の体質と歴史によるのではないか。ただ物事を決めるのには欧米の民主主義は全会一致より効率的だけど後にシコリを残すか不満でも納得するかだろう。民主主義は少数意見の尊重を補いとしているがこれには忍耐と寛容が必要で個人主義が鉄則のアングロサクソンは機能しても平等主義が強い民族では機能しにくい。私は日本人は平等主義の強い民族と思っている。余談だけど中国人は民主主義の考えは乏しい。儒教には私の乏しい知識では民主主義の思想はないのではないか。家父長主義と個人主義これが中国人の本性でその相剋が中国人の社会と歴史だと思う。どうしても専制と個人崇拝となり、民主主義とは相容れない。しかし中国人は優秀で桁外れの人物が出るようだ。
このような日本人の性格からお任せの観念が強く、無理矢理政治に参加する意欲に乏しく、中には政治が好きでのめり込む人もよく見かけるけど、趣味で革命哲学には乏しい。これでは社会が非常時にでもならないと投票率は上がってこない。当分投票率は高くならないと考える。総選挙と同じ頃行われた世論調査で政府のコロナ対策についてまあまあよくやったと評価する人が60%いたことに驚いた。私は政府のコロナ対策政策は相対的には失敗したと思っている。その理由は別として日本人のコロナに対する考えがこの程度なら仕方ないと思っているのが喉元過ぎれば熱さを忘れる体質の日本人なので投票率は上がらない。
次に総選挙の結果の分析である。この四年間の自民党政治の実績から自民党の当選者は減り、野党連合と維新は増えると思っていた。しかし自民党の議席数は15くらいで単独過半数を超えると共に公明党と合わせて絶対安定多数を維持したのは予想外だった。これでは与党の勝利であり、野党は敗北である。福山幹事長は選挙後立憲民主党が議席数を減らすとは思わなかったと述べ、私もそう思っていた。前回の総選挙で比例区では立憲民主党系が最も多い得票率であり、選挙区選挙で候補者を一本化しそれで与党に勝てば政権交代があると読み、選挙でもそれを目標にして戦った。マスコミも計算上からありうると考えたのか政権交代選挙と位置付け報道した。あに図らんや結果は自民党の単独過半数、与党で絶対安定多数と見るも無残なことになり、維新が増え今までより悪いこととなってしまった。たしかに候補者一本化により、前回より選挙区で前回を上回ることができ、一定の成果があった。しかし選挙区選挙でも与党に遠く及ばないし、比例区でも得票率を落として議席数を減らして全体として成功どころか敗北に等しい結果となった。これをどう総括するか。まず立憲民主党の執行部の問題である。鳩山、岡田、菅など前のリーダーは全て自民党出身で良きにつけ悪しきにつけ安定感と信頼感があった。55年体制以来野党政権はみな自民党出身者であり、右派かリベラルかという色分けで政策的に変わり映えしない。強い者の味方か弱い者の味方かという根は同根で生き様が違う人達という感じだった。国民民主党に走った人達は私の知る人達は皆自民党から選挙に出たい人達で選挙区の事情、世襲などで自民党から公認を得られない人達で党が違うので色々言うが考えは自民党の人と一緒である。自民党も多種多様で幅広い政党で性格ずけは難しく、私は保守主義の人と定義している。保守主義とはというと困るが。立憲民主党の執行部は、自分は典型的日本人と自称し、歴史や文化、伝統を重んじる普通の日本人と言い、私が付き合う立憲民主党の人達も、皆普通の日本人で違和感はない。マルクス主義が日本で勢力を持つていた頃その思想の人達とも交際はあったが、自分達は古い日本を脱却した新しい日本人で、どちらかと言えば向こうから馴染まないような態度をとる人達が多かった。しかし付き合いが深くなると基本の人情、人間性など、頭の良い人が多く前共産党委員長不破哲三の書いたものなど読むと誠に人間味あふれる好感の持てる人柄に思える。共産党の教条主義と言われるが共産党への弾圧の歴史とコミンテルンの影響から完全に脱却していないのではないか。私はマルクス主義の平等主義には人間の本質があると思い、自由と並ぶ哲学である。共産主義には書きたいことが多々あるがここで置くとして今の日本人には日本共産党は良いイメージがない。私は共産主義と民主主義は相入れない思想と思わないけど、欧米でもソ連崩壊後政治的にあまり振るわない。私の若い頃自由主義陣営内でもイタリア共産党やフランス共産党は国民の一定の支持があった。今回の総選挙で立憲民主党と共産党との政策協議歴史的評価は将来のこととして、今回戦術的に成功したとは言い難い。
長くなってしまったので書きたいことは後に譲り今言いたいことを書く。今の小選挙区制は昔私も強く支持したがアングロサクソンに合った制度で日本には向いてない。比例区でカバーしたが不充分で日本人には合わない。日本を衰退に導く。しかし当分この制度は変わらない。憲法改正ができないのと一緒である。世論調査で支持する政党が自民党であることは変わらない。立憲民主党は政権交代を唱えるにはこの政党支持率を20%くらいにしなくてはならない。今の5%程度では小選挙区での候補者一本化だけではダメである。何故支持率が上がらないのか。今の日本人にはこの政党は向いていない。新執行部は日本人に向いた政党にしなくてはならない。ただ自民党はヌエのような政党で、変幻自在、融通無碍である。これに打ち勝つには哲学では駄目である。第一に人間関係に基づく地域組織の形成である。私の知る愛知県昔民主王国と言われた時でも自民党に比べて圧倒的にに弱かった。その後の党の変遷を見ると当時より一層地域組織は弱くなっている。私の頃労働組合組織は今よりはるかに強固だった。今組合組織率も大きく落ちた。組合は大きな支持母体だがそれに頼ってはいけない。組合は基礎組織として国民政党でなくては支持率が20%にはならない。そのためには自民党に劣らぬ地方組織の育成である。第二は地方組織の育成とも関連するが人材の育成である。まず選挙の度に候補者が変わるのは風任せの選挙で安定した選挙は闘えない。候補者の人選が大切でこれと決めたら光が当たるまで生活の面倒も考え無ければならない。自民党は要領よく世襲者、官僚、地元有力者例えば地方議員、これらの人々で国のため国民のために働きたい情熱を持つ人材を上手に探す。

by kaitekikukannb | 2021-11-05 14:09
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